権利関係
令和3年度(10月) 問11(正解:3)
Aは、所有している甲土地につき、Bとの間で建物所有を目的とする賃貸借契約(以下この問において「借地契約」という。)を締結する予定であるが、期間が満了した時点で、確実に借地契約が終了するようにしたい。この場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1. 事業の用に供する建物を所有する目的とし、期間を60年と定める場合には、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を書面で合意すれば、公正証書で合意しなくても、その旨を借地契約に定めることができる。
2. 居住の用に供する建物を所有することを目的とする場合には、公正証書によって借地契約を締結するときであっても、期間を20年とし契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を借地契約に定めることはできない。
◯ 3. [正解] 居住の用に供する建物を所有することを目的とする場合には、借地契約を書面で行えば、借地権を消滅させるため、借地権の設定から20年が経過した日に甲土地上の建物の所有権を相当の対価でBからAに移転する旨の特約を有効に定めることができる。
4. 借地契約がBの臨時設備の設置その他一時使用のためになされることが明らかである場合には、期間を5年と定め、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を借地契約に定めることができる。
解説:建物譲渡特約付借地権(借地借家法24条)は、借地権設定後「30年以上」を経過した日に建物を借地権設定者に譲渡する旨の特約であり、20年ではこの要件を満たさない。よって3は誤り(正答)。1は事業用定期借地権(23条1項、存続期間10年以上50年未満の事業用建物所有目的、公正証書に限る)ではなく、通常の借地契約に更新排除特約を付す場合は、存続期間50年以上であれば書面(公正証書に限らない)で足りる(22条)。2は事業用定期借地権と異なり、居住用建物を目的とする借地権を「事業用定期借地権」として設定することはできない(23条は事業用建物に限定)ため、20年の期間・更新排除の定期借地権は22条の「存続期間50年以上」の要件を満たさず設定できない。4は一時使用目的の借地権には借地借家法の存続期間等の規定は適用されない(25条)。